成果 ①

ビジネスを行なっていると当然ついてくるものに「成果」があります。
「成果」については、あらためて十分な認識が必要になっていくと感じています。
これは世の中が複雑になってきている中で、その一つ一つに目を向けずに短期的短絡的近視眼的に見ていこうとすることに違和感がなくなっていくのを恐れているからです。理解できるもの・理解しやすいことだけを取り込もうとすることは、視野を狭めることと同時に、成長を止めてしまうことにつながっていきます。このことが、今後の日本にとっていいことではないと考えているのです。

「成果」とは何でしょうか。結果とは違うのでしょうか。。
これからは「成果」と結果は明確に区別した方が宜しいのではないでしょうか。

位置づけとして結果は「成果」の中に含まれると考えてはいかがでしょうか。
結果は着地地点・辿り着いた所の‘点‘のことを指しています。
100m走で言えば、9秒97というタイムのことです。ビジネスにおいては売上高・利益額・受注件数等ということになります。「結果」をみることは欠かせません。結果について、否定的な見方をしているのではないことをお知らせしておきますと、結果が出ていなければ事業さえ続けていくことが出来なくなってしまいます。

しかし結果と「成果」を混同してい使うと、2000年前後に日本の人事制度に多く取り入れられた成果主義のような使い方が起きてしまます。当時の成果主義は、結果にフォーカスした制度であったので正確には結果主義であると言えます。経営側にとっては、着地点だけ見ていればよかったし、それを評価するのだから何とも楽な仕事になったわけですが、その後の日本の企業組織や人材の活力、相互のかかわりによる新しい創造などの根幹がなくなり、それまでの強みがすっかり崩れてしまう大きなきっかけになってしまいました。

「成果」は結果だけではないと述べました。「成果」には多くの要素が含まれることをこれから見ていきます。我々は結果ではなく「成果」を求めているのだということを考える機会にしていきます。 (続)