作業と仕事

前回に引き続き時間について。

世の中にはタイムマネジメントという研修コースがあります。
自分の今日一日、一週間のやるべきこと=タスクをすべて出し、
それをビジネスタイムの〇時から〇時までに行なう、という計画に
して実施しようとするものです。

前回、過去にしてきたことは変えられない。未来は、これから次第で
様々なことを起こせる可能性がある、と書きました。
ビジネスにおいて、やるべきことは特段書き出さなくても分かる人は
それで良いですし、わからなくなってしまう人は書き出して全体像を
自分で知ることもいいでしょう。

ここからが大事です。
時間が自分を縛り使い流しているのか、自分が時間を使っているのか、
皆さまはどちらでしょうか。

前者は作業者、後者は仕事人と言っていいでしょう。
自分の時間を自分で使っていない人は単にこなしているだけの作業者
なのです。タスクをこなすことに目がいき、何のために行なっている
のか忘れてしまった時間にとらわれた一日を過ごしているのではない
でしょうか。

冒頭、タスク洗い出しから計画をつくり実施する研修について触れ
ました。ほとんどの場合、タスク完了計画がどのくらい達成できて
いるのか、追いかけていないのでわからないそうです。
時間の計画というものの本質が出ていると言っていいと思います。
つまり、時間を計画しても、目的が明確になっておらずにやるべき
ことだけを並べても、それは目的を失ってしまうだけで作業に埋没
してしまい、自分としてのプラスの価値を出さずに一日を終えた、と
いうことです。

世の中の、活発でアクティブな経営者たちがタスクを洗い出して
計画を立てている話を聞いたことがありません。本当に仕事をして
いる人は、やるべきことは常に頭に入っていて、どこから手を
付ければいいかを判断でき、実際にやり切っている。
それがプロの仕事人です。